医療機器製造業

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ディスポーザブルとは

Ⅰ.ディスポーザブルって何?

一般的には略してディスポと呼ばれることも多いですが、正しくはディスポーザブルといい、いわゆる使い捨て品のことを指します
医療機器の業界では後述の理由から多くのディスポーザブル品が使われています。
例えば、マスク、手袋、注射針、注射器、点滴などに使用される輸液セットやバッグ、カテーテルなど多種多様なディスポーザブル品があります。


Ⅱ.ディスポーザブル品の歴史  (例)注射針と注射筒

その昔、今ほど医療技術や知識、そして工業技術の発達していない時代、例えば注射において注射針は筋の通った植物の茎を利用していたこともあったそうです。日本でも昭和に入ってしばらくの間は注射針の材質こそ金属ではありましたが、職人さんが一本一本手作りしていました。当時、注射針は大変貴重なもので何回も繰り返し使用して切れなくなると、包丁を研ぐように注射針を再研磨して使用していました。針専門の研ぎ師もいて行商のように病院を回り注射針を研いでいったそうです。2、3日病院を回れば1カ月は生活できたといいますから驚きです。
注射筒も始めは金属製で後にガラス製が使われるようになっていきました。
注射針や注射筒は再使用するため使用後には洗浄、消毒、滅菌をしていました。
戦後しばらくすると、院内感染のデータが発表されたことで感染予防の意識が高まるとともに、工業技術の発達に伴い合成樹脂を使ったディスポーザブル品が登場することとなりました。


Ⅲ.医療機器にディスポーザブル品が多い理由

医療機器に多くのディスポーザブル品が使われている理由はいくつかありますが、まず初めに感染防止対策があげられます。現在のディスポーザブル品の多くは、クリーンルームなどの衛生面に配慮した環境で生産された後、滅菌工程を経て出荷されます。また、必要最小限の個包装の状態となっているため使用直前まで汚染されることがありません。
次にコスト削減させる効果があげられます。ディスポーザブル品の多くは比較的加工のしやすい合成樹脂や金属で構成されているため大量生産により安価に使用することができます。
最後に業務の効率化があげられます。ディスポーザブル品は使用後に廃棄するため、洗浄、消毒、滅菌、保管をする必要がありません。
こうした理由から医療機器にはディスポーザブル品が多いのです。